in-職(いんしょく)ハイパーの“飲食の戦士たち”に株式会社プライム・リンク 代表取締役社長 大槻哲也氏登場。
「もう逃げ出したい」、大槻を支えたのは、兄弟のつながり。
2軒の店を持つ経営者には、大学であそぶ時間もない。3年ですべての単位を取得し、卒業。経営や会計といった知識の穴を埋め、経営者として大槻は、いよいよ羽ばたいていく、はずだった。実際、卒業後、デザイン性に溢れた斬新な店を2500万円といういままでとは比較にならないコストをかけ、開業している。だが、おかげで損益分岐点がはねあがった。売上でいえば月250万円。それでも軽々、超えられるはずだった。しかし、60万、80万の月が続く。その穴埋めに、蓄財をあてた。日経レストランの「経営診断」に応募したのもこの頃。著名なコンサルタントに指摘された部分を改善したが、それでも150万がやっとだった。「もう逃げ出したくてしかたなかった」。当時の心境を大槻はそう語っている。気丈な母がなくなったのも、その頃。病院生活を強いられながらも、子ども達に心配をかけまいとなくなる前日まで、洗たくまで一人でされていたそうだ。4つ年の離れた兄がふらりとやってきたのは、それよりも以前。「母から聞いていたのでしょう。ふらりと店にやってきて、400万円の現金を置いていってくれたんです。もう、少しがんばってみたらどうだって。でも、ほんとうのことをいうと、もう、ぼくは逃げだしたかったんですけどね」。資金だけではなかった。起業家でもあった兄は、ある会社を紹介してくれた。ファミリーレストランを代表とする大手資本によるチェーン店運営から、小資本を集めるフランチャイズ方式が外食の主流になりつつあった頃だ。 ・・・。
コメント