in-職(いんしょく)ハイパーの“飲食の戦士たち”に有限会社麦企画 代表取締役 田原旬時氏登場。
中卒には世間は冷たい
中学卒業後すぐに、田原は、夫婦で経営する小さな蕎麦屋で働くことになる。仕事は朝8時には始まり、夜遅くまで働き、夜中になって眠りにつく生活が続いた。初任給は3万円。このうち、1万円は仕送り、1万円は自分で使い、残る1万円を店主夫婦に頼んで貯金してもらっていた。
そんなある時、母が急病で入院、手術をすることになり、田原は、いままで店主夫婦に預けていた貯金を下して欲しいと頼んだが、毎月店主に預けていたと思っていた貯金は、貯められることなく使い込まれていたことを知る。少年であった田原にとって、母や弟達を思う気持ちが詰まっている大切なお金であり、店主夫婦に対する信頼も込められているものであった。この裏切りに田原は激怒し、すぐさま仕事を辞める。当時の田原にとって、それが精一杯の抗議だったのだろう。
その後、母が働いていた製造会社に転職し勤めている。田原が働いても、家族の暮らしに余裕ができたわけではないが、弟たちは高校に行かせることができた。『母を思う気持ちは兄弟一緒』と田原は言うが、その方法は違った。弟たちはしっかりと勉強し、良い会社に入ることで母を楽にさせることができるが、田原にはもうその道を歩むことはできない。弟たちの学費のこともあったのだろう。だから、『ヤクザになってでも家族を幸せにしたい』と考えたのだ。 ・・・。
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