in-職(いんしょく)ハイパーの“飲食の戦士たち”に有限会社一滴八銭屋 代表取締役 大薮由一郎氏登場。
男なら弱音を吐くな、と父から諭された少年は、やがて大都会「東京」に憧れる。
中・高時代。当時、父から言われたことを覚えている。部活に疲れて返ってきたときだ。「弱音を吐いていたんでしょうね」。父は、「男なのだから、痛いとか、しんどいとかいうな!」と。「ほかに父から言われたことは、記憶としてあんまり残っていないんですが、この言葉だけは強烈に心に残っています。でも、日頃から将来、男は独立するべきだと吹聴されていたのかもしれませんね」。
高校卒業と同時に、東京に出る。「田舎者でしたから大都会の東京が憧れだったんです。大学に合格し、東京で暮らしはじめた頃は、いつも街をブラついていました。車窓から東京を見て、うれし泣きをしたこともあるんです。それぐらい東京に憧れていました」。この大学生活で、大薮は再度、転機を迎える。
大薮は、入学早々、「世界旅行研究会」というサークルに入った。飲んで語るだけのサークルだったが、ここで初めて議論すること、理論的に物事を組み立てることを覚えていく。だが、転機はそのことではない。実は、このサークルで出会った先輩に刺激され、大薮は世界を巡る旅に出ることを思い立つ。アルバイトで必死になって貯めたお金と、片道チケットだけを持ってサンフランシスコに旅立った。 ・・・。
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