in-職(いんしょく)ハイパーの“飲食の戦士たち”にキリンシティ株式会社 取締役社長 佐部成彦氏登場。
福井県。
佐部が生まれたのは1962年だから、福井市内と言っても都会からみればまだまだのどかな田舎町の風景に染まっていたのではないだろうか。両親が共に教員だったこともあって、学校帰りの佐部を迎えてくれるのは、もっぱら祖父母だったそうだ。躾にも厳しい祖父母が教育係を務めてくれたおかげで勉強も良くできる少年に育った。「福井県というのは、生活をするにも良く、仕事もあって、福井だけで完結できる県なんです」と佐部。「大人になっても福井で暮らす」と佐部もあたりまえのように思っていたようだ。その背景には、先天的な疾患が挙げられるかもしれない。1万人に1人という心臓疾患で2歳の時に手術。手術は無事成功したが、小学生の後半になるまで激しい運動は止められていた。けっして大人しいだけの少年ではなかったが、思い切り体を動かせない、そのことが佐部の冒険心をどこかで抑え込んでいた気がするからだ。医師から他の子たちと同じように体を動かしてもいい、とゴーサインが出たのは中学入学時。すでに小学生後半からは、運動場を駆け回るようになり、足の速さは学年でいちばん。医師からもOKサインがでたことで、中学入学と同時に陸上部へ。心臓への負担が大きい短距離走の選手だったことからも病は完治したということなのだろう。ただ、体は元気になったが、それでも思考は福井という枠からはみ出さない。高校は、福井一の進学校に進んだ。・・・。
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