in-職(いんしょく)ハイパーの“飲食の戦士たち”に 株式会社麺食 代表取締役 中原 明氏登場。
北海道日高市。
北国の朝は薄暗くて、そして寒い。凍てついた空気を切り裂くように、子どもたちは作業を始める。中原は7人兄弟の末っ子。いちばん頼りない足取りで、兄や姉の作業を真似、家畜に餌をやり、厩舎の掃除をした。それが日課。まだ電気もろくに通っていない頃の話である。
「もともと親父は東京都の出身なんですが、北海道に渡り、酪農業を始めます。私が小学4年生の頃に、競走馬を生産するようになって多少裕福になるんですが、当時の北海道の人たちはみんな貧しかった。うちも兄弟はみんな中卒で就職しています。中原家で高校に進んだのは、私だけです」。
中原は幼少の頃から「くる病」という骨格に異常をきたす病を患っていた。からだも思うように動かない。「いじめられたこともあった」そうだ。ただ、中原も負けてはいない。心まで弱いわけではない。負けるとわかりながら、相手のからだに突っ込んだこともあったはずだ。
「からだがそうだから、家ではもっぱら料理を任されていました。母親から今日の献立を聞き、みんなが帰ってくるまでにごはんを炊いて料理をつくっていたんです。いま思えば、あの頃から料理が好きだったんでしょうね」。中原は、目を細めながら少年時代を振り返る。・・・・・・。
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