in-職(いんしょく)ハイパーの“飲食の戦士たち”に株式会社板前寿司ジャパン 代表取締役社長 中村 桂氏登場。
大人への道。TV制作会社に入社し、社会と人の本質を追いかけた。
専修大学に入学し、思う存分、遊んだのち、中村はTVの制作会社に入社する。ここでドキュメント番組を手がける、あるディレクターに出合う。「彼からは本質とは何かを教わった気がします」。中村自身も、のちにディレクターになり、数々の事件を追い掛け、そのなかで蠢く人間ドラマを描く名作を残すようになる。スクープも連発した。1年間で363日働き、師と仰ぐディレクターに怒鳴られ続けたADは、将来を嘱望されるディレクターに育っていった。だが、6年を過ぎた頃に転機が訪れた。「油が乗り切っている頃です。TV局からも名指しで依頼が来るようになりました。そんなとき母から『帰って来てくれ』と連絡があったんです」。実は、中村が学生の時、父が病に倒れ帰らぬ人となっていた。とりあえず母が後を継いだ。それから数年、1度は兄が手を挙げたが、結局、中村にお鉢が回ってきた。父が亡くなった時、母を元気づけようと休みを利用して2ヵ月ほど手伝ったことがあった。2ヵ月もあれば、従業員と仲良くなるのは、中村にしては当然のことだった。片や輝かしいTVの世界、片や小さな田舎町の会社。29歳の中村ならずとも天秤にかけたくなる。おおよそ傾く方向も決まっている。だが、その時、「親しくなった従業員の人たちの顔が浮かんだんです。会社が潰れたら、あの人たちはどうなるんだろう。何しろ、田舎の、何もないところですから」。天秤は、田舎町の小さな会社に傾いた。・・・。
株式会社板前寿司ジャパン 代表取締役社長 中村 桂氏
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