in-職(いんしょく)ハイパーの“飲食の戦士たち”に株式会社すかいらーく 代表取締役社長 谷 真氏登場。
大学に入学し、山小屋を根城に少年は青年に育っていく。
「建築の道に進みたいと思っていました。関東学院大学に進み、理工学部に入ったのですが、理工学部では建築デザインというより、もっぱら数学との格闘です。数字が苦手でこれはいかんなと2年終了後、経済学部に転部しました。だから、結局大学には5年通っています(笑)」。通ったといっても、話を聞いていると、通ったのは山の方だった気がする。春、まだ雪が覆い、煙突だけがのぞく山小屋を長い冬の眠りから起こすのが毎年の行事になった。開山すると1日に500人もの登山客が山小屋をめざしてやってきた。「朝2時ぐらいからご飯を炊き始めるんです。そうしないと、500人分のご飯はつくれませんから。プロパンですから、青い火です。その青が、朝焼けの青に重なる。澄み切った空気を吸いながら、毎日せっせと炊くんです」「単純労働のようですが、単純なばかりではありません。たとえば気圧の低いなかでどうすれば旨い飯をはやく炊けるか、知恵も絞ります」「それだけ忙しく、工夫を重ねても、山小屋の仕事は1日18時間労働で日当1200円です(笑)。山岳隊のようなこともします。荷揚げもします。最初は、周りの人が軽々と荷揚げするのに驚き、落ち込みました。そのなかでどうすればのし上がっていけるか。腕のチカラではない、同じ屋根の下に働くチームをまとめるというもう一つ別のチカラをこの山小屋で修得できた気がします」。少年は、10数年に亘る山の生活を通し、チカラ強い青年になった。大学卒業と同時に青年は、山を下りた。・・・。
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