in-職(いんしょく)ハイパーの“飲食の戦士たち”に株式会社エイチワイシステム 代表取締役 安田 久氏登場。
めざす家は5キロ先の暗闇の向こうにあった。
秋田県男鹿市は、秋田県の西部に位置し、日本海にひょいと突き出た男鹿半島の大部分を占める。「なまはげ」でも有名で、「男鹿のなまはげ」は、国の重要無形民俗文化財に指定されている。人口は4万人足らず。株式会社エイチワイシステム 代表取締役 安田 久が、この市に生まれたのは1962年。父親は自衛隊の職員だったが、農業も営み小さな畑で野菜などを収穫し、生計を立てているような家だった。むろん、当時、コンビニもない。一軒のレストランもない。夜になると月明かりだけが頼りという辺鄙な田舎町だった。「小学校6年生の同級生は17人」だったと安田。中学校は5キロ先の隣町。夏は自転車で、冬は1日に5本というバスで通学した。野球部に入っていたこともあって、練習が遅くなって、このバスに乗り遅れるとさぁ、たいへん。灯りもない山道を一人歩いて帰らなければならなかった。「怖かったよね」と安田は当時のことを振り返る。ただ、怖いだけではなかった。家では、両親が毎晩のようにケンカをする。豚を飼っていたために、部屋のなかまで匂いが侵入する。TVで東京の生活を観たとたん、コンプレックスが生まれた。この田舎者の生活から、逃げ出したくてしかたなかった。・・・。
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