in-職(いんしょく)ハイパーの“飲食の戦士たち”に株式会社夢笛 代表取締役社長 高橋英樹氏登場。
おかんは、息子をよろしくと、専務に預けた。逃亡をたくらむが、その機会がみあたらなかった。
新大阪駅で在来線に乗り換え、神戸にいた唯一の知り合いだった先生宅に向かった。福岡までのキップが買えるお金を借りようと思ったからだ。泊まっていけ、その一言に甘えたのがいけなかった。翌朝、目が覚めると鬼のような形相をした母の顔が目の前にあった。連絡を受け、福岡から駆けつけてきてくれたのだ。だが、息子を連れ、福岡に戻る…というシナリオは、母にはなかったようだ。職安に行き、面接を20社ほど受けさせ、唯一、OKをだしてくれた「魚菜」という飲食店に息子を託した。当時の高橋は、アフロで、前歯もなく、顔はバイクでコケて、キズだらけ。採用してくれただけでもありがたいのに「寮もあり、給料は15万円」と15歳のヤンチャな少年には悪くない条件まで出してくれた。ところで、高橋の記憶は、高校を退学してから「魚菜」に入社するまでがもっとも曖昧だという。まるで辛い記憶を脳が勝手に忘れさせようとしているかのように。「魚菜」に入社してからの記憶は逆に鮮明だ。「寮はたしかにありましたが、6畳1間に6人。部屋の左右に2段ベッドがあり、新人のオレたちはベッドとベッドの間に寝るという有様。給与は6万5000円。うそばっかりでした(笑)」。「ここもすぐに逃げ出してやろうと、思っていました。・・・。
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