in-職(いんしょく)ハイパーの“飲食の戦士たち”に築地海宝館グループ 株式会社山銀 代表取締役会長 山田孝之氏登場。
父の大きな背中
山田の実家は、宮城県女川町で料理店を営んでいた。山田はその長男として生れる。勇ましい母と姉、そして無口で厳格な父という家族だった。「幼い頃は体が弱かったのですが、ケンカで負けて帰ってくるなど論外。父には睨まれ、母には勝つまで帰ってくるなとけしかけられ、姉が相手にお礼参り(笑)。昔はそんな家が多かったですが、私もそれで鍛えられました」と笑う。
また、躾においても同様だった。「父からの小学校の入学祝いが、店名が描かれた岡持ちと自転車。その頃から家の料理店を手伝っていました。働かざるもの食うべからずで、手伝わないとご飯も食べさせてもらえません」というほどの徹底ぶりだった。
やがて高校に進むと、その身体能力の高さからバレーボール部にスカウトされ、インターハイにも出場する。幼児期から鍛えられ、その頃は腕っぷしも相当で悪さもかなりやったというが、練習や店の手伝いだけは欠かしたことがなかった。
「父がすべてを決め、家族はそれに従う。私は父には常に敬語でした」というほど父は絶対的な存在。そんな父に、山田は生涯で一度だけ逆らったことがある。「将来家業を継ぐように、高校を出れば修行に出される段取りでした。その店まで決められていましたが、『やはり自分は東京に出ます』と」。そう返した山田は勘当され、東京で一人多難を乗り越えていくことになる。辛くても歯を食いしばり、真っ直ぐ進んだ。そんな時はいつも、山田は父の顔を思い浮かべていたはずだ。・・・。
築地海宝館グループ 株式会社山銀 代表取締役会長 山田孝之氏
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